旅の思い出     木原初江


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前会長・荻原信幸さんの思い出

大作は主に油彩画で、古い工場や倉庫の扉、野ざらしの重機などの寂寥感ただよう画面を得意としました。表現力豊かな作品は、足利市民文化祭洋画展、創元展、栃木県芸術祭、栃木の五月展などで数々の受賞をされました。

小品は、油彩画・パステル画ともに、田園風景や静物をさわやかに表現し、鎮守の森、皮をむいた夏みかん、蕾の薔薇などが人気で、文化協会チャリティーまつりでは先を争って買われていました。会主催の裸婦デッサン会では、会員はじめ一般の参加者にも親切な指導で人気があり、いつも会場が満席状態でした。

「来年からは、やすらぎのある作品を楽しんで描きたい。」と何度も言っていました。絶筆となった作品には、大きな雲がうかんでいます。その雲の向こうで「こっちで楽しく描いてるよー!みんなも楽しく描けよー!」と言っている声が聞こえるようです。

享年75歳、ご冥福をお祈りいたします。